【動画解説】散髪が苦手!自閉症の子供を持つ美容師さんにカットの仕方を聞いてみた
今回は、YouTubeで公開をしている「散髪が苦手!自閉症の子供を持つ美容師さんにカットの仕方を聞いてみた」
を記事化したものになっています。
YouTubeで分かりやすく解説していますので、YouTubeを見ていただくのももちろんですが、
動画内の会話を記事化していますので、ぜひごご覧ください!
部長:いつもオンライン勉強会の方に参加して頂いてるんですけど、前にちょっと気になったというか、参考になったのが、自閉症。お子さんが自閉症なんですよね?
安大さん:そうなんですよ。一応もう今7歳なんですけど、病院の診断ももう受けてて。今は7歳なんですけど、知的(障がい)が若干あるので5歳って言われてるんですよ。自閉症スペクトラムっていうのとADHD、多動性障がいというのはもう診断を受けてて、結構早い段階から1歳半か2歳くらいではもう療育手帳っていうのも発行してもらってて。やっぱりなにぶん結構不自由があるっていうところもあって、僕もそれに伴って福祉事業をするにあたって、やっぱりそういうある程度の認識という形もちょっと配慮して、活動はさせてもらおうかな、というところは入ってますね。
部長:その時の話ですとか、まぁうちも自閉症のお子さんだとか、知的障がいの方がたくさんいらっしゃる施設さんとかにもお伺いする事が多いんですけど、自閉症の方のところに行く美容師さんも多いと思うんですよ。やっぱり結構大変だと思うんですよ。
安大さん:むちゃくちゃ大変です。
部長:皆さん困ってるところは多いと思うので、自閉症のお子さんどうやってカットしたら良いの?とか、実際にエアクリッパーも使っていただいていると思うんですけど、そういった、エアクリッパーはどうやってカットするのだとか、あと自閉症を持っているのを親目線でどうやってカットしてあげるのが良いとか、どうやって接してあげるのが良いとか、というのをちょっと教えてもらえたらなと。
部長:訪問始めたきっかけが、お子さんが自閉症という事なんですか?
安大さん:まぁそうです。僕の子供が自閉症だからっていうのもあるし、やっぱり自分のお客様にも、高齢者だけに限らずで、やっぱり店内に入ってきたらすぐ暴れるとか、普段何もしないのにその時だけ爪を噛むとか、なんかどこかを触りだすとか、まぁ何かあるんかな?という形ではあるんだけど、でもその子をこう差別するっていう美容室もやっぱり多いんですよ。「なんであの子暴れとんよ?」とか「なんであんな落ち着き無いん?」とか、なんかそんな偏見を持つ美容師さんもやっぱ多い、というところの中で、僕は、まぁ最初美容師になりたての時もそういう子はおったんですけど、そういう風には思わないというか、「なんなん?」ていう形の発想にはならなかったっていう所もあって、まさか自分の子供がそうなるっていうのも思ってもなかったし。でも本当に、まぁこの地域からですけど、もっともっと困っている人達っていうのはいっぱいいるんで、やっぱり美容室なんかに連れていけないという。まぁ7歳8歳という形であっても、10歳の方でも、もう連れて行かれないって。今美容室に来ているお客様に、23歳の男の子と自閉症傾向が強い男の子いらっしゃいますけど、やっと落ち着いて僕の店に来てくれるようになって、もう本当に常連さんになってくれているというお客様もいらっしゃるんですけど、やっぱ安心してね、来ていただけるような環境を僕が作って行けたら良いなというところと今、本当に向き合っているところではありますかね。
<カット前の準備>
安大さん:みんながみんな当てはまるのか?って言ったら、そうじゃないんですけど、ほんまに10人、子供の成長もあれですし、大人だってそうですし、十人十色なので。でも1つ言うならば、やっぱ自閉症・多動傾向持ってる子供たちっていうのは、本当に目先が見えてなかったら不安なんですよ。だから親御さんからすると、手帳持ってない親御さんでも持ってる親御さんでも、やっぱり子供が新しい場所に行くっていうのはもうその時点で1つの不安な要素なんですよ。だから、電話かかってきて、「うちの子供ちょっと自閉傾向持っている、多動傾向持ってます」って言ったら、まず僕は、すぐに連れて来るんじゃなくて、「絵カード」っていってあるのご存じですかね?その絵カードとかで、「こういう今日美容室行って、〇〇君のカットするんだよ」とか、先に「こんな人に、こんなおじさんにカットしてもらうんだよ」っていうところを見せることが絶対なんですよ。
部長:うーん、なるほど!
安大さん:行って誰に切ってもらえるかわからないという形で行けるのは、大人であったり、大人の方でもやっぱり不安な要素ってあると思うんですよね。子供になると、もっとそこが不安な要素になってくるので、僕の子供に関したら、たとえ水族館であってもどこに行くにしても、「今日はこういうところに行くんだよ」。だから「遊園地に行くんだよ」と言ったら、その目先が何もわかってなくても、遊園地っていうだけで、子供っていうのはすごい喜ばれるんですよ。でも「お医者さんに行く」とかって言ったらもう、不安でしかないんですよね。ってなってきたら、「こういう先生がいて、こういう看護師さんがいて、こういう人に今日お腹ポンポンしてもらうんだよ」っていうのを先に言っておくと、子供って1つの安心材料になるんですよ。なので、行く時っていうのはまず、親御さんとの連携を取れるのであれば、まず1つは絵カードとか写真とか、携帯でも良いんですよ。今日こんな美容室に行くよとかっていうのを見せてあげる。で、「こんな美容師さんがいるから、おじさんがいるから、この人に髪の毛チョキチョキしてもらうよ」とかっていうのも、1つの提案かなっていうのがありますね。
部長:それを美容師さんから親御さんに伝えて、こういう風にしてくださいってしてあげた方が良い?
安大さん:促す形は取った方が良いですね。やっぱり大体そういうお母さんって、家でもカットしているのが当たり前なんで、すごい斬新なカットになっているのがもう見えてるんですよ。
社長、部長:(笑)
安大さん:本当にもう切り抜いたみたいなカットになってる事ある。
部長:それは親御さんが自分でカットしてあげてる?
安大さん:あぁそうです。その時に1つ僕は、家でカットしているのは全然良いんですけど、バリカン使ってるのかハサミ使っているのか。結構1歳から2歳からでバリカン使ってる人っていうのは、ある程度エアクリッパーでもいけるんですよ。でも家ではハサミしかした事無いっていう人を、急にまたそこで耳元でバリカンをブーンって動かした時点で、それもう絶対NGなんですよ。もう恐怖でしかないですもん。何されるかわかってないから。だからそうなった場合は、バリカンを手に取って見せて、ちょっと音を出してみると。そこで恐怖を感じているような子供さんであれば、絶対にやったらダメなんですよ。それを、美容室とかによったら、もう羽交い絞めにして頭を抑えて、もう泣きじゃくっているのにもうこうやってしたら(バリカンをあてたら)、自閉傾向ある子達はもうそれが、どこかでまたフラッシュバックしてくるので、もうここの美容室に行ったらあのバリカン嫌な事は鮮明に覚えているので、もうその子は何歳になっても泣くんですよ。
部長:トラウマになってる?
安大さん:トラウマになります。だからできるだけ、ハサミである程度いけるのであればいく、耳のちょろっとした毛も、美容師の美で言ったらクオリティ高めたいから、ちょっとちっちゃいクリッパーでパッと取りたいと思うんですけど、もう僕それ無視です。親御さんには、本当はエアクリッパーとかバリカンでちょっとここくり抜きたいんやけども、でもそれをするともしかしたら刺さる恐れもあるかもしれないから、それはもうやらないです。残します。慣れてくると僕のお客様含め僕の子供含め、時間とともにどんどん良くなっていくという。お医者さんの事例で言っても、大体10歳ぐらいが目安らしいんですよ。10歳から急に普通になる子もおるんですよ。でも10歳からもっと下がる子もおるんで、10歳っていうところのボーダーラインもあるんですけど、でもそこで言うとうちの息子もだんだんちょっと良くなってきてて、今カットは普通に。
部長:それはもう慣れてきてるって事ですか?
安大さん:慣れてきてます。自閉傾向が強い子っていうのは、良くも悪くもなんですけど、モニターを用意するんですよ。で、なにか親御さんに、「見てる動画ってありますか?」って。いつもそういう自閉傾向強い子というのは、何か同じ物を見ているはずなんですよ。うちの子はウルトラマンとかその辺を見ているので、ウルトラマンの動画をつける事によって、バリカンの音がしようが何か耳元でされようが、元々多動傾向とか自閉傾向ある子って、聴覚過敏症っていって、めちゃくちゃ耳が敏感なので、あとは毛が付くとか。それもすごい敏感なんですよ。なので、クリッパーが一番理想なんですよ。使えるとしたら。ハサミとかでいくと、絶対(身体に髪の毛が)落ちるので、本当にそれはネックシャッターとかタオル、もうクロスはまとわりつくのでそれも×。
社長:ダメなんだね。
安大さん:ダメなんですよ。
部長:ん-、なるほど!
安大さん:だからやっぱり、親御さんとの連携は本当に、「シャカシャカの服着させてください、抱っこするお母さまの服もシャカシャカする服で」って。
部長:シャカシャカっていうのは何?
社長:ナイロン。毛が付かないようにする、ビニール生地。
部長:ああそういう。
安大さん:目に入っていくというか、大人の方も、親御さんもモケモケしない服を着てる方が良いですよ、というのもあって。
部長:モケモケ…。
<寄り添う気持ち>
安大さん:僕今、お店自体が朝10時~夜7時までなんですけど、子供さんに限って、自閉・多動傾向、いろんな知的持っている方々に関していうと、朝の9時~10時も、音楽BGM流しません、スタッフもいません、もう完全僕だけがそこのホールに1人で立ってやってますっていうのも、1つの取り組みとして。親御さんが安心なさる。やっぱり親御さんの目も、すごい気にはするんですよ。
部長:そういう親御さんからすると、他のお客さんとかがいるとやっぱり行きづらいという事?
安大さん:やっぱり行って、子供が例えば暴れたりして癇癪を起こして、わー!とかって叫んだ時に、スタッフの顔、お客さんの顔がどんな顔するんだろうか、みたいな。何か嫌な顔、うるさいな!みたいな形とか、なんであんなんしとん?っていう顔を見えちゃうと、親御さんはすごいテンションが下がっちゃう。なんか本当に僕が、それも僕もスーパーに1回行った時とかに、やっぱりそういう傾向を見た瞬間、僕はそういう目で見てあげて欲しくないっていうのはあるけど、うちの奥さんはやっぱりメンタルが下がっちゃって、っていうところもあって。だから本当に、親御さんの方がやっぱり神経は使うかな、というところがあって。だからこそ僕は、その子供さんとの連携ももちろん取らないといけないんですけど、でも実際はやっぱり親御さんとの連携はすごい濃厚にしていかないといけないし、僕の子供も、知的若干あるんでっていう事を言うと、やっぱり安心して、暴れるとか、店の中でハサミとかは絶対に危ない物なので子供の手の届かない所とかにはしてるんですけど、たまにロッドを持ってしまって投げても、僕何も動じないというか。1つ美容師さんには言いたいっていうのが、「あかん」という否定語はあかんのですよ。ダメっていう否定語はダメなんですよ。だから変換語っていうのを言ってあげて欲しいっていうのが一番。「それしたらダメなんだよ」って言ったら逆上するので。それはやったらダメって言う、ほんじゃぁ余計やるんですよ。だから、「これはちゃんと置いておく物なんだよ」とかっていう、変換語っていうのが。
部長:肯定してあげたら良いって事ですか?
安大さん:あぁそうです。っていうところが、「やっぱりそれは投げる物じゃないんだよ、それは置いておく物なんだよ」とかっていう形で言ってあげた方が、子供は逆上しにくい、その多動・自閉傾向強い子は特に。なので、大人でも「あかん!」とかって言われたらね、腹立つわー!ってなるじゃないですか。
社長:なるなる(笑)なるほど!だからあかんって言っちゃいけないよあんた!(部長)「えぇー」ってあんた言うから逆に「うるさいんだ!黙ってろ!」ってなる。君が言うからだ(笑)私は自閉症かもしらんな(笑)
安大さん:みんな、でも個性なんですよね。個性をいかに上手い事、だからコミュニケーションの取り方なんですよね。だから、そこさえブレていなければ、問題ないかなって。
部長:結構困っている親も多いでしょうね?
安大さん:多いです!困っている親御さんも多い中で、現代で言うと、それを取り巻いているその中で、ちゃんと認めてもらえてなくって、認めてほしいのに、病院で認めてほしいのに、認めてもらえない子供さん達もいるんですよ。
部長:なるほど。
安大さん:認めてもらえている人はまだ、手帳も出ているしヘルプマークとかもあるし、わかりやすい所にはあるんですけど、でも何より僕達美容師達がその方々の、「なんでそうしているんだろう?」というところに不快を感じて「なんであんな事するん」っていう考え方の美容師さんも結構多いんじゃないかなっていう。だから僕のお店のスタッフ達にはそういう教育、そういう偏見を持つのは良くないよ、だから何かあったとしても寄り添う気持ちを絶対忘れてほしくないっていうのは今スタッフには伝えていて。だからそういうところもやっぱり寄り添ってあげるっていう気持ちを忘れなければ、イライラもせぇへんかなという。
<在宅訪問するときは?>
部長:そう考えたら、先ほどの自閉症のお子さんとかの親御さんとかはやっぱり、美容室にそういった事を気にしちゃうから、やっぱり訪問してほしいっていうお客さんも多いですかね?
安大さん:まぁそうですね。なのでやっぱりお家っていう所がもう、子供達からすると安心材料の場所でもあるし、訪問も全然してますし、中には多動傾向めっちゃ強い女の子もいるんですけど、その子でも今この車、家の前でトラックが来るんだよっていうのを、まず絵カードで見せてあげて、ちょっと乗る時にガタつくので、それに対して若干最初不安やったので、1回目「ちょっと帰りましょか?」みたいな形で促したんですよ。僕は「絶対やろう!」っていうのは無いんですよ。できなくても一歩ずつ階段を昇って行ったら良いんじゃないかな、という形なので、来たから絶対カットしないといけない、でも親御さんからすると、来てもらってるのに悪いのに、いやいいですいいです、無理にでも乗せますって。いや、やめときましょう。ちょっと1回目は僕が行って見せて乗って帰られても全然構わないんで、せっかく来たんやからキレイにして欲しいっていうのはわかるんですけど、でもそれをそこまで求めてしまっているのは親御さんだけであって、子供はそこまで求めてなくて、ただでも、それにちょっとでも、暑さしのぎでも良いからこの辺(襟足)ちょっとすっきり、バリカンでキレイに切ったらそらキレイな話なんですけど、でもそうじゃなくって、ちょっとでも気持ち的に気分が良くなれば、また「あ、なんか涼しくなった!」っていう、その肌で感じた時に、またあそこ行ったらちょっと涼しくなるかもってなってきたところからのステップって、すごい大事なのかな。なんかちょっと触れ合うんですよ。こうやって(手と手を)タッチするとか、(肩に触れて)「こんにちは〜」とか。そこからでも、何か進歩ってあるんで、帰る時にはまた目線まで下がって、「また来てな!」とかって言って、「タッチしよう!」とかって言って、ちゃんと切れてるかというと、やっぱ切れてないっ子もおるんで、そういう中では、そこで結果を求めるんじゃなくて、後にパーフェクトにできるように、僕も心がけて頑張りますのでっていうところを親御さんに了承もらうんです。それが一番最善なのかな。
社長:私もそれは同感。全部を仕上げるという取り組みはしない方が良い。
部長:ちょっとずつちょっとずつ?
安大さん:そうなんです。
社長:その方が喜ぶ。
安大さん:仕上げようとするから、全部がダメになるんですよね。
部長:ふーむ。
社長:そうそうそうそう。良い事言うね!
部長:自閉症の子って、その子の世界っていうか、こだわりが強いじゃないですか?そうするとそこに、徐々に徐々に慣れさせていくのが大事って事ですか?
安大さん:まぁそうですね。だから、慣れさせていく事によって、今の僕のお客様の中では、あんだけ泣いとったのに、今なんであんなに普通に切れるようになるんやろうな?っていう、どこかでスイッチが変わるっていうか。
社長:あっあのね、それはね、わかる!え?どうしちゃったの?みたいな感じの、スイッチの変わりありますよね。
部長:じゃぁそれは最初にちょっと、親御さんとちゃんと確認しておいた方が良いですね。
安大さん:そうなんですよ。だから急に行き当たりばったりで来ると、僕もやっぱりそこが、「この子ちょっと何かあるかな…?」っていう形からのお話とかで進めていくと、でも親御さんでも、言いたい人と言いたくない人もおるんですよ。自分の子供が療育手帳を持っているんですっていう、僕はもうそこはオープンでいかせてもらってるんですけど、でも親御さんによったら、「え、実は」って後から聞く人も中にはいらっしゃるんですけど、そこは僕もできるだけ寄り添いながらで「あ!そうだったんですね!」って。
部長:自分から、こちらが言わないって事ですね?
安大さん:あぁそうです。「持ってますか?」っていうのも言えないというか、でも僕も何となしにはわかってくるようにはなってきているので、まぁ寄り添い方っていうんですかね、ないし頭の中では分析はしてるっていうか。というところはあります。
<自閉症の子との接し方>
安大さん:だから、他の美容室行ってて、うちの店で落ち着く子供っていうのは本当に、まず上から下で言うんじゃなくて、ほんまに僕の目線まで合わしますね。子供の目まで。上から言われてるって感じなので。だから子供の目くらいまで下がって、「わーい!」とか言って、こうやってしてあげて、ほんじゃぁそこでちょっと笑みがね、浮かんで来たらこっちのもんやなっていう形で対応させてもらったりしてて。今ちょっと手元にないんですけど、タイマー。前ちょっとだけお話しさせてもらったあのタイマーを、ここの目の前に置いて、「この赤いのが無くなったら終わるから」ってなってくるとやっぱ、早く切らな、という気になってくる。それはもう普通のハサミで。エアクリッパーは音がやっぱり苦手って言われたので、なのでハサミでできるだけ5分で。5分で切り終わったらもう、ピピって鳴ったら、はいもう終わりよねって言われたので、「あ!終わり!終わりだよ!」。
部長:最初に時間を伝えてあげれば我慢できると。
安大さん:そうなんですよ。5分だけ。5分って言ってもわからないですよね、子供で。なのでそのタイマーが、色が付いているので、色が無くなってきたら、もうこれで終わりだから、あれが白くなったら終わりだよっていうのを言ったら、ほんじゃぁここに、目の前に置いてあげると、ずーっと見てますね。
社長、部長:(笑)
安大さん:あの色が無くなるんだねって、ほらどんどん減ってきたでしょってなってきたら、それがその子にとって目安になるわけです。
部長:ほー、そこに集中する?
安大さん:そうなんですよ。ちゃんとした目安があれば。「ちょっとだけ」っていうのは通用しなくて、「少しだけ」も通用しない。「何分」とかって言っても子供によったらわからないので、そこは時間でちゃんと見せてあげると。シャンプー台とかにもし行くとかってなった場合であっても、ここでする分に関して、移動が無いじゃないですかトラックって。なのですごい効率性はすごい高いというか。
部長:シャンプーとかもやっぱり難しいですかね?
安大さん:シャンプーもそうですね、だから本当にね、子供さんだったら、寝られないんだったらもうタブレットこうやってしながらこうやって寝ていく。なんか本当に自然に身を任せていくっていうような形もありますし、でもエアクリッパーで、来る人で子供達とかであれば、まぁシャンプーとかできない子は無理にはしないですね。だからもう、料金も抜いてる価格で出してますし、っていうところですね。後は場所移動するってなってきたら、お話しする時に僕目を見てますよね。自閉とか多動の子って、絶対(きょろきょろしてる)。目があんまり合わないんですよ。でも癇癪とか、もし万が一店の中で暴れた場合とかであったら、散らかるのはもう絶対なんですけど、その子の目を見て、「ちょっと落ち着こうか」とか「ちょっとDVD変えてみようか」とか「なんか映像を変えてみようか」とか、そうやって促してあげると、また急にスイッチが、暴れてるのに大人しくなる傾向もあるんですよ。だから、何のタイミングなのかっていうのは人それぞれなので、でもやっぱり先に言葉で言いたいんだけど、自閉傾向とか多動傾向強い子は、口出る前に手出ちゃったり、他害がやっぱり出たりする傾向もすごい高いので、その辺は親御さんとの連携はしっかりして、ちょっと他害出る可能性はありますとかいうところがもしあるのであれば、先にそれは聞いてる方が良いでしょう。で、落ち着きも無いっていうのは大体もう把握済みなんですけど、どれぐらいのレベルなのかと。やっぱり最初に通常であれば、お店に入りました、そこから、はいセット椅子座ってください、そんなん無理ですから。だから部屋の中でカットできるっていう形であるのであれば、僕はもう、今さっき言ったシャカシャカの服を着ているのであれば、もう歩きながら、先生と同じですよ、歩きながらカットするというところとか、そういう形で対応。なんで椅子に座らないと僕はいけないんですかって思っちゃう人なので。
社長:そうそうそうそう。
安大さん:椅子にすわらな切れないんですか、みたいに。いや椅子に座らなくても立ってカットしたら良いじゃないですか。それは臨機応変に対応しても良いんじゃないかなと。
社長:やっぱ押さえつけない。
安大さん:そうそう、そうなんですよ。押さえつけると本当に逆上するというか、二度と行かへんとか、もうそういう風にシフトチェンジされちゃうので。
<エアクリッパーを使う場合は?>
部長:エアクリッパーを使っていて、実際どんな感じですか?
安大さん:エアクリッパーを使える子とか、もう特に僕の子供ももうエアクリッパーで今1本でいってるんですけど、まぁそこまで慣れるまでにはどれぐらいの回数を重ねたかな…。最初の最初から本当に家でバリカンしてるっていう環境下やったら、多分慣れている子供たちなのでいけるんですけど、うち多分1年ぐらいかかってると思いますね。
部長:まずはそのバリカンに慣れるという。
安大さん:慣れるっていう。だから、する(実際に切る)とかじゃなくて、もうこの辺で(ちょっと頭から離れたところで)音を1回鳴らしてみるとかっていうところからスタートして、でもそれに反応するんですよ絶対。(バリカンから)逃げるんです。逃げて、(バリカンの)音切ったらまた(タブレットを)見だして、またブーンってして(きょろきょろと)探し出すんで。どっかでブーンっていっとるっていう。だからやっぱりこの辺(耳周り)とかなってくると、本当に厳しいところではあるんですけど、できるだけ僕も本当にもう、超静かなバリカン無いんかなって(笑)探したいっていうぐらいであって、でも難しいところではあるんですけど、本当にね、そこね…。
社長:昨日もその男の子、先生と先生、おでこをくっつけて、こうやっている(にらみあっている?)時にカットするような感じだった子が、今はエアクリッパーで。刈り上げなんてありえない世界だったんですよ。もうこの辺(首回り)ジャガジャガ。今日は前だけ、次はここだけっていう状態のとこだったけど、今はもう刈り上げまでいって。
部長:なんでおでこをくっつけながら?
社長:目と目を。先生の目と目をこう、くっつけながらいないと無理な子ってやっぱりいるの。
安大さん:目と目が合って初めてなんかこう、共感し合うというんですかね?
部長:それは安心なんですか?
安大さん:そうなんですよ。
社長:だから先生と、目と目がこうやってくっついている(笑)
部長:(笑)そんなに近く?
社長:もう一人の男の子は、やっぱり本をずーっと見てるとか、ゲームカード持ってて、それを持ってくるんだけど、その子は「チョキチョキ」は良いんだけど、バリカンが「ブン」としただけで「うぅっ」って動いちゃう子なの。でもね先生ね、エアクリッパーになったら、風の音を先に聞かせてるから、先に掃除機の、こう吸ったりして、遊ばせてあげるんですよ私。紙をこう、ティッシュかなんか出して、こうやってヒューって遊ばせたりとかして…。
安大さん:そうなんですよ。気を散らすんじゃないですけど、いろんな事を…。
社長:いろんな事をしながら、いっぺんにやらない。だからいっぺんにヘアスタイルを作るのではなくて、今日は後ろだけとか、今日は前髪だけ、とかってやっているうちに、危なくないっていうのを認識。さっき(安大さんが)言われたように、最初に絵カード、最初にお母さんが作ったのが、ハサミと櫛だけの絵しか無かったから、バリカンの絵がなかったから、もう最初ダメなの。でそのうち、バリカンにホースを付けてたら、「ん?」って感じで、ほらほら(見せる)って感じで、だんだん慣れてきて。今はほぼほぼうちは制覇してますね。エアクリッパーでどの施設もやれてるっていうのが現状で。
部長:ちなみにどうですか?エアクリッパー使ってみて、最初やっぱり大変だったりだとか。
安大さん:そうですね、慣れてきて使えるようになってきたっていうのはありますね。ただ最初からは、本当に掃除機の音と、シューっていう音とか。でも掃除機だけの音やったら多分、家でも慣れているはずなんですよ。掃除しているところでテレビつけてるところでお母さんはしてるから、掃除機の音慣れを、ただ遠目やったら良いのかもしれないですけど、やっぱここ(耳元)で鳴ってるから、多分そこも、若干敏感な人は敏感なのかなというところもあって。
社長:そうね、いつも言うんだけど、耳からスタートしちゃダメ。耳からスタートは一番ダメ。だけど皆さん耳からしっかりと仕上げようとするから、うるさいのよ、どう考えても。だから、こっち取ってこっち取ってこっち取ってっていつもこう振り分けていく。そこは素人がカットするわけじゃないから、最終的にはこれができるって頭ができていれば、どこからやるか。それは認知症の人も同じなんだけど、耳ってすごく敏感だから、耳に手が出た瞬間に(お客様の)手が来たらこっち(反対方向)やればいい、結構こっち来る前にこっち来たらこっち離すから、こうはいかないから、だからそうやってね、やっぱり遊ばせる。なおかつカットされるの嫌だ、でも今みたいに切らなくちゃいけない時はもう、風でまず、掃除をしているフリをするとかね。
安大さん:なんか遊んでる中の延長でカットがある程度できたらいいかなっていうのですよね。カットしに来たっていうのではなくて。
社長:そう!掃除しに来たけどとか、遊びに来たけど、おばちゃんと遊ぼうよ、みたいな、どうした?みたいな遊びながら手を握ったりとかね。そうしながら抱きかかえながら手を握りながら、こっちでカットするとか。だからいつも、明日勉強されるけど、右と左にエアクリッパー持てるから、持つように学んでください!片側でやるのはダメなの。両方持てれば、こっちで手を握ってもこっちでできるし、で、櫛を使わないっていう技術を明日から勉強してください(笑)
安大さん:はい。よろしくお願いします。
部長:そうすると今ではもうエアクリッパーができればエアクリッパーがベストですか?
安大さん:ベストですね。それが一番髪も落ちないですし、肩に付かないですし、言うたらハサミっていうのが、いかに動く子供達からすると安全性が良くないっていうか、危ないっていうところの認識が僕たちの中ではあるので。
社長:万に1つだよね。万に1回とも傷つけたらいけないね。だからそれがやっぱり、私もずーっとハサミ握ってるけど、万が一っていうのは怖いよね、それが本当怖い。
安大さん:そうなんですよ、あってはならない。だから本当にそこは安全性っていうところの中で、普通と言ったら変ですけど、何も無い子供達でも急に動く時もあるから。
社長:手がね、握るのが怖いんだよね。手を持つのが怖い。
安大さん:だから僕、普通の仕事であっても、クロスできない子供達もおるんで、そうなったら急に「エアクリッパー出して」って言って、そこでエアクリッパーで。
部長:クロス巻かなくて良いっていうのは結構やっぱり良い?
安大さん:めちゃくちゃ良いです。タオルも取っちゃう子供たちは、ここに(首回りに)何かがあるだけで取っちゃう。ほんじゃぁもう、クロス無しで行きましょか、で、ハサミでやってた時もあったんですけど、もうお父さんもお母さんも子供も毛まみれ。ってなるんだったら、そこはクリッパーがあるのでじゃあもう親御さんも何これ?みたいな。こんなんあるの?みたいな。もうビックリでしかない。でも臨機応変という言葉は僕めちゃくちゃ好きなので、クロスしないといけない、そんなんはいらないでしょう。ハサミ無理やったらクリッパーで良いでしょう。クリッパーダメだったらハサミで良いでしょう。もうその都度その都度。
社長:そう、それがもう基本。その人に合わせて、この場所もそうだし、その人が一番っていう物を見つけてあげるのがプロだなって。それがプロだなって思う。
安大さん:もうカットとかは一番底辺の事で、それ以外に福祉の方入ってくると、もう本当に臨機応変に対応できるっていうスキル力をどこまで高めていくかっていうところだけだと思うんですよね。なので、ハサミが無かったらクリッパーでハサミ代わりにしたら良いわけですから。でもやっぱり、寝たきりの方とか、いろんな形としてあるんですけど、多動傾向・自閉傾向ある子が本当にこの訪問理美容の中では一番最難度かなっていうところはありますね。やっぱ動くと動かないのとでは全然違うんで。だから臨機応変にっていうところでは対応は絶対必要な事であって。
安大さん:だけど、その時は良くても次は良いっていうのもちょっと確信無いんですよね。
社長:そうそうそうそう。
安大さん:1つずつ階段上っていっとったんだけども、急にドーンって落ちる時もあるんですよ。またそこからこう上って行く人もおるし、また急にそこに軌道修正できる子もいるんですけど、だからお母さまとか親御さんは本当に、「今日できたやん!」とか「こんだけできたやんか!」と思っても、次できるっていう確信は絶対無いので、そこも僕も、スキルの中には入っている事の考え方の1つなので、お母さまにはそれは絶対に伝えてますね。今日できたからといって次できるかといったらそうじゃないかもしれないんで。「前あんだけ切ってくれたやん!」って言われるんですよ。「何であんだけ切ってくれた事今日やってくれへんの?」とかってなる場合もあるんですけど、そこはお父様お母様の認識のレベル的なところも、まぁ高い人もおるんですけど中には低い人もいるんで。考え方として。だからそこでクレームに繋がったことはまだ無いですけど、でも内心「前もうちょっと切ってくれたのに」って思っている人もおるんで。
部長:それはもうお子さん次第って事?
安大さん:そうなんですよ。コンディション次第なんです。寝不足で来られる子供さんも、そんなん無理やわ!とか1時2時で昼寝とかで保育園に行かれている子供たちを1時2時にね、美容室に連れてきて、もう目ぇこうやって(トロンと)なってるのに。まぁ寝てくれた方がカットしやすいんですけど、でもぐずるじゃないですか。そういう時の時間帯に美容室に来て、予約取れなかったっていうのはあるかもしれないですけど、でもやっぱりぐずついてる時は何してもコンディション良くないので、無理には絶対したらあかんから。
社長:そうだね。
部長:はい。結構参考になりましたね!
社長:多分見てる人達はね、生の声が聞こえるし大変さもわかるから、一番良いんじゃないかな?
部長:うちも自閉症の子、お子さんをやる事も多いですけど、やっぱり無理にやらなくていい、エアクリッパーを使ってだとか、ある程度余裕をもってできるのはやっぱり良いですよね。
安大さん:本当に、余裕が無い状態でやるのは絶対良くないですね。
社長:だから今さっき(安大さんが)言った、本当良い言葉だなと思うのは、エアクリッパーがダメなら使わないハサミ、ハサミがダメならバリカン、だからその3点をいつも自分がお客様に合わせて動けるというのが、私たちの業種なのよ。だから素人ができる事ではないのよね。そこはね、やっぱりスキルをどうやって、そこで自分がすぐに物を替えられる余裕が無いとダメだよね。
安大さん:だからそこも、本当にハサミとバリカンとクリッパー以外に何かあるんやったら、それはそれで良いんじゃないかなっていうところにもなりますし。
社長:絶対大事だと思う。その子に合わせた物。
部長:なるほど、わかりました。また何かあれば、YouTubeの方でもコメントいただければ。
安大さん:はい。どうぞよろしくお願いします!
社長:ありがとうございました今日は。
安大さん:ありがとうございました!
訪問理美容を始めるならエアクリッパー協会へ
両立といっても、訪問理美容の仕事が得られるか心配される方は多いはずです。
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会社案内 昭和61年にヘアーサロンアダムを開業、1年後に出張理美容サービスを開始。7年後にはビューティーサロン「イヴ」を開店とともに、在宅向け出張理美容「アダム&イヴ」を開業。 現在、50施設以上に出張しており、月間約1700人、年間約2万人の調髪をおこなっています。